大橋です!
セネガルに行く前に予防接種はしたほうがいいのかな? 打つとしたら何が良いのかな? そんな方のための記事です。
外務省のホームページ等と自分の実体験をもとにしています。
予防接種の費用やスケジュールや病院に関してもまとめました。
目次
必須の予防接種
黄熱
黄熱は、汚染された蚊に刺されることで感染します。
黄熱の予防接種をすると、イエローカード(黄熱の予防接種に関する国際証明書)をもらえます。

国によってはイエローカードを提示しないと入国できない国があります。
セネガル入国の際にイエローカードの提示を求められる場合があります。
また、セネガルも黄熱の汚染地域ですので、必須の予防接種とさせていただきました。
推奨する予防接種
短期滞在(一ヶ月未満)の場合
A型肝炎
食べ物から感染します。
汚染された水や氷、野菜や果物、魚介類を生で食べることで感染します。
厚生労働省検疫所によると、アフリカにおいて「短期滞在者が検討すべき予防接種」に該当しています。
腸チフス
主に食べ物から感染します。
郊外など食事環境が中心部に比べて悪い地域などもあるため、念のため打っておいた方が良いということで推奨させていただきました。
破傷風
土の中に菌がいます。
外で足を怪我したときなどに、菌が傷口から体内に入ることで感染します。
発症してしまった場合は致命的になることがあります。
ワクチン接種により、100%近い方が十分な抗体を得ることができます。
日本国内でも打つことが多いワクチンです。
まだ打っていない方は、この機会に打っておくことをおすすめします。
長期滞在(一ヶ月以上)の場合
B型肝炎
感染者の血液や、その他の体液に接触することで感染します。
汚染された食物や水によって広がることはありません。
感染した場合、肝硬変や肝がんによる死亡の危険が高くなります。
現地において、怪我や事故などで輸血や手術を受ける事態に遭遇した場合を考え、ワクチン接種をおすすめします。
日本でも、医療従事者のほとんどはこの予防接種を行なっています。
狂犬病
感染した動物に咬まれた傷口からウイルスが侵入することで感染します。
狂犬病を発症した動物の唾液中にウイルスが含まれています。
ほとんどは犬からの感染ですが、猫,山羊,羊,牛など多くの哺乳類動物も感染源になり得ます。
唾液中にウイルスが存在しているため、粘膜や傷口を舐められた場合でも感染の危険性があります。
発病するかどうかは咬まれた傷口の大きさや体内に入ったウイルス量などで大きく変わります。
発症した場合の致死率はほぼ100%と言われています。
狂犬病ワクチンを予防接種することで発症をある程度防ぐことができますが、完全に抑えられるわけではありません。
動物に咬まれた場合には、事前に予防接種を行なっていても、追加でワクチンを接種する必要があります。
以下に、そのスケジュールを示します。
<動物に咬まれた後のワクチン接種スケジュール>
1)事前に3回のワクチン接種を済ませてある場合
追加初回接種(0日)→2回目(3日後)
2)事前のワクチン接種なしの場合
初回接種(0日)→2回目(3日後)→3回目(7日後)→4回目(14日後)→5回目(30日後)
髄膜炎菌性髄膜炎(12月〜6月の乾季を含む場合)
菌を持つ人の咳やくしゃみなどから感染します。
まずは喉に菌が定着し、血流に乗って菌が脳や脊髄に達すると発症します。
症状は脳や脊髄を覆っている膜に生じるため、重篤になりがちです。
12月から6月の乾期には、ほこりが舞い、夜は冷え込み、鼻や喉の粘膜を痛めやすいので、髄膜炎のリスクを高くします。
高発症地帯として、アフリカ地域で西はセネガルから東はエチオピアまで、「髄膜炎ベルト」と呼ばれています。
出典:厚生労働省検疫所
予防接種の費用(目安)
黄熱(1回/11000円)
A型肝炎(3回/8000円×3回)
腸チフス(1回/7500円)
破傷風(1回/3700円)
B型肝炎(3回/5300円×3回)
狂犬病(3回/10000円×3回)
髄膜炎菌髄膜炎(1回/9500円)
これらに診察代を加えた料金が合計になります。
予防接種の種類によっては、間隔をあけて複数回打つ必要があります。
病院や受診者の状況により、費用や接種する回数が変わる可能性があります。
予防接種のスケジュール
スケジュールに関しては、受診した病院で立ててくれるので、基本的には自分で考える必要はありません。
しかし、A型肝炎や破傷風は摂取後1週間別のワクチンが接種できない、黄熱は接種後4週間別のワクチンが摂取できない、などの制約があります。
余裕を持って出発の1〜2ヶ月前には受診しておくことをおすすめします。
私の場合は、「黄熱・A型肝炎(全2回)・破傷風・腸チフス」を2週間で打ちました。
初回:A型肝炎(1回目)、破傷風、腸チフス
2週間後:A型肝炎(2回目)、黄熱
というスケジュールです。
かなり詰め詰めのスケジュールだったので、もっと前もって準備しておくべきだったと後悔しています。
狂犬病など他の予防接種は現地の病院(後述する Institut Pasteur )で打とうと計画中です。
また、黄熱の予防接種証明書である「イエローカード」は、予防接種10日後から有効になります。
予防接種できる病院一覧
黄熱の予防接種は上記の限られた病院や診療所、または検疫所でのみ受けることができます。
(黄熱以外の予防接種は多くの一般の病院で受けることができます。また、検疫所で受けられる予防接種は黄熱のみとなります)
ここでは黄熱と黄熱以外の、両方の予防接種が可能な病院や診療所を紹介しています。
(東京以外で黄熱の予防接種をする場合は、日本各地の検疫所に行く必要があります。)
ちなみに私は「東京医科大学病院 渡航者医療センター」で予防接種を受けました。
黄熱の予防接種は原則として予約制になっているので、あらかじめ予約する必要があります。
セネガル現地の病院でも予防接種は可能!?
セネガルの首都ダカールには、
「Institut Pasteur (アンスティテュ パストゥール)」
という医療機関があります。
ここは、狂犬病ワクチンの産みの親であるフランス人医師の、ルイ・パスツールに関連した由緒正しい機関です。
場所もダカールの繁華街プラトー地区にあるので、簡単に行けます。
Institut Pasteur では、狂犬病をはじめ、黄熱、腸チフス、B型肝炎、髄膜炎菌性髄膜炎など、セネガルで必要な多くの予防接種を受けることができます。
費用も日本よりかなり安いです。
例を以下に示します(費用は目安であり変動する可能性があります)。
黄熱:6,500CFA(1,300円)
腸チフス:12,000CFA (2,400円)
B型肝炎:11,000CFA (2,200円×回数分)
狂犬病:7,000CFA (1,400円×回数分)
髄膜炎:35,000CFA (7,000円)
日本で予防接種を受けた方が確実で安心ですが、どうしてもという場合は、現地で受けることも不可能ではありません。
マラリアに関して
アフリカの病気と言えばマラリア、とイメージする方も多いかもしれません。
しかし、残念なことにマラリアの予防接種はありません。
予防接種に代わる方法として、マラリア予防薬を飲むという方法があります。
マラリア予防薬にはいくつか種類があります。
私は「マラロン」という薬を処方してもらいました。
予防薬として使うには1日1錠飲むことになりますが、その使い方をすると費用がかかりすぎてしまうので、私の場合は、熱が出たら3日間連続して飲むという、治療薬として処方してもらいました。
セネガルで知り合った日本の友人が、1週間に1度だけ飲めばいい、「メフロキン」という薬を、予防薬的に飲んでいました。
費用等を考え、病院の先生と相談した上で決めて欲しいです。
個人的には、ダカールでは病院に行けばマラリアかどうか検査ですぐに判明し、早期に処方されるマラリア治療薬を飲めば治るので、マラリアを心配する必要はあまりないと考えています。
マラリアの発熱は37度台から40度台までと個人差が大きいので、微熱でも病院に行くことが大切です。
今回は以上です。ありがとうございました。